葬儀に似つかわしくない靴

お葬式の参列した日のことです。そのお宅は、とても格式を重んじ、身内にも厳しいと有名なところでした。そのため、参列する私自身の身なりにも非常に気を配って向かいました。粗相のないように、あちらのお宅に失礼のないようにと、念には念を入れて、礼服のチェック、髪型、持ち物、着こなしに細心の注意をはらったのです。
ところが、お葬式が始まって非常に驚いたことに、遺族の女性が誰も紋付きの着物を着ておらず、そればかりかなんとエナメルの靴を履いているではありませんか。
その葬儀会場は、ステージが設けられていて、亡くなられた方の棺とその御遺族の皆様がステージ上に並ぶ配列となっていました。
そのため、あちらの身なりや手振りが参列者に良くも悪くも丸見え状態だったのです。
和服でないのはまだいいとして、光り物の靴を葬儀という場で身に付けるというのは、過去に全く聞いたこともお見かけしたこともなかったので非常に驚きました。
故人を偲び、厳かにお見送りする場には、とても相応しくない装いに見受けられ、甚だ不快な思いをしたのを覚えています。
近所あたり一辺で有名な厳しいお宅だっただけに、受けた衝撃、残念感は大きなもので参列した皆が目をみはっていました。
葬儀という普段とは違う場だからこそ、見られる格式、常識というものがあると思います。故人を想い手を合わせるこの場所には、とても似つかわしくない服装に不快感を抱く者がいるということを覚えていていただきたいものです。

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